そんな外国人にとって、大きな選択肢の一つになるのが「特定技能2号」です。
特定技能2号になると、在留期間の通算上限がなくなり、更新を続けながら日本で長く働くことができます。
さらに、条件を満たせば配偶者や子どもを日本へ呼ぶこともできます。
では、どうすれば特定技能2号になれるのでしょうか?
今回は、できるだけ簡単に説明します。
そもそも特定技能2号とは?
特定技能には、
「特定技能1号」
と
「特定技能2号」
があります。
簡単に分けると、
1号=一定の技能を持っている人
2号=さらに熟練した技能を持っている人
です。
2号では、長年の実務経験などによって身につけた高い技能が求められます。
たとえば、自分で判断して難しい仕事ができたり、ほかの従業員を指導しながら仕事を進めたりできるようなレベルです。
1号で5年働けば2号になれる?
ここは非常に重要です。
5年間働けば、自動的に特定技能2号になれるわけではありません。
たとえば、
「特定技能1号で5年間働きました」
↓
「それでは明日から2号です!」
とはなりません。
特定技能2号になるためには、働いている分野ごとに決められた条件をクリアする必要があります。
2号になるために必要なものは?
細かい条件は分野によって違いますが、基本的には、
① 必要な技能レベルに達する
② 必要な試験に合格する
③ 必要な実務経験を積む
④ 特定技能2号への在留資格の手続きをする
という流れで考えるとわかりやすいでしょう。
順番に見てみましょう。
① 高いレベルの技能を身につける
まず必要なのが、仕事の技能です。
特定技能2号は、単に
「この仕事を何年か経験しました」
というだけではありません。
その仕事について熟練した技能が求められます。
たとえば、自分の仕事だけができればよいのではなく、
「ほかの従業員に仕事を教える」
「作業の進み具合を確認する」
「チームをまとめる」
「工程を管理する」
などの経験が求められる分野もあります。
そのため、2号を目指すのであれば、普段から単に作業するだけではなく、リーダーや管理する側の仕事を経験していくことが重要になってきます。
② 特定技能2号の試験などに合格する
特定技能2号になるためには、その分野で決められた技能試験などに合格する必要があります。
ただし、
「特定技能2号になるための全国共通の試験が1つある」
わけではありません。
働いている分野によって試験が違います。
たとえば建設分野では、「建設分野特定技能2号評価試験」や技能検定1級など、定められた試験があります。
つまり、
自分が働いている分野では、どの試験に合格する必要があるのか?
を最初に確認することが大切です。
③ 実務経験を積む
ここが特定技能2号を目指すうえで、とても重要なポイントです。
試験に合格するだけで2号になれるとは限りません。
分野ごとに必要な実務経験が決められています。
たとえば建設分野では、複数の建設技能者を指導しながら作業を行い、工程を管理する「班長」としての実務経験が要件になっています。
飲食料品製造業でも、複数の従業員を指導しながら作業し、工程を管理する立場での実務経験が求められます。
つまり2号では、
「何年働いたか」だけではなく、「どんな仕事を経験したか」
も重要なのです。
外食業ならどうなる?
具体例として外食業を見てみましょう。
外食業の特定技能2号では、
「外食業特定技能2号技能測定試験」
に加えて、
日本語能力試験(JLPT)N3以上
が必要です。
さらに、飲食店で複数のアルバイト従業員や特定技能外国人などを指導・監督しながら接客などの仕事を行い、店舗管理を補助する立場での実務経験が求められます。
たとえば、
副店長
サブマネージャー
などのイメージです。
単に、
「レストランで料理を3年間作りました」
だけではなく、
「ほかの従業員を指導し、店舗管理にも関わった」
という経験が重要になってくるわけです。
建設業ならどうなる?
建設分野でも考えてみましょう。
建設の特定技能2号では、定められた技能試験や技能検定に合格する必要があります。
さらに、
複数の建設技能者を指導しながら作業する
そして、
工程を管理する
といった班長としての実務経験が求められます。
つまり、
「言われた作業ができます」
という段階から、
「ほかの人を指導しながら現場の仕事を進められます」
という段階まで成長する必要があるわけです。
すべての分野で条件は同じ?
いいえ。
ここは注意してください。
特定技能2号になるための条件は、分野によって違います。
必要な試験も違います。
必要な実務経験も違います。
日本語能力について別の条件が設けられている分野もあります。
そのため、
「友達がこの方法で2号になったから、自分も同じだ」
とは限りません。
必ず自分が働いている分野の最新の条件を確認しましょう。
介護にも特定技能2号はある?
介護は少し特殊です。
介護分野には特定技能2号がありません。
「では、介護で長く日本に住みながら働くことはできないの?」
と思うかもしれません。
そういう意味ではありません。
介護には「介護」という別の在留資格があります。
たとえば、介護福祉士の国家資格を取得するなど、条件を満たすことで在留資格「介護」へ移行する道があります。
そのため、
介護の場合は「特定技能1号→2号」ではなく、別のルートを考える
という点を覚えておきましょう。
特定技能2号になるまでの流れ
ここまでを簡単にまとめると、次のようなイメージです。
STEP 1
特定技能1号などで働き、仕事の経験を積む
↓
STEP 2
リーダー・指導・工程管理など、2号に必要な実務経験を積む
↓
STEP 3
自分の分野で必要な試験を確認する
↓
STEP 4
必要な技能試験や日本語試験などに合格する
↓
STEP 5
必要な実務経験などの条件を満たしていることを確認する
↓
STEP 6
特定技能2号への在留資格変更の手続きを行う
↓
STEP 7
許可されれば特定技能2号として働く
このような流れになります。
2号を目指すなら早めの準備が大切
特定技能1号として働ける期間には、原則として通算5年という上限があります。
そのため、
「5年目になってから2号について考えよう」
では遅くなる可能性があります。
特に重要なのが実務経験です。
試験の勉強なら自分で始めることができますが、
「リーダーとして働いた経験」
「複数の従業員を指導した経験」
「工程を管理した経験」
などは、自分だけでは作れません。
会社側の協力も必要になります。
そのため、2号を目指したい場合は早めに会社へ相談して、
「将来、特定技能2号を目指したいです」
と伝えておくことも大切です。
会社側も準備が必要
特定技能2号は、外国人本人だけが準備すればよいわけではありません。
会社側も、
「この人にはどんな実務経験が必要なのか」
「どのような仕事を担当してもらえばよいのか」
「試験はいつ行われるのか」
「実務経験をどう証明するのか」
などを確認しておく必要があります。
特に実務経験については、あとから
「実はリーダーをやっていました」
と言うだけではなく、必要な経験をきちんと証明できるようにしておくことが重要です。
外国人本人と会社が一緒に計画を立てていくとよいでしょう。
2号になると何が変わる?
特定技能2号になる大きなメリットの一つが、在留期間の通算上限がなくなることです。
1号は原則として通算5年までですが、2号は在留期間を更新しながら長く日本で働くことができます。
さらに、条件を満たせば、
配偶者や子どもを日本へ呼ぶこともできます。
そのため、
「日本で長く働きたい」
「日本でキャリアアップしたい」
「将来は家族と日本で生活したい」
という外国人にとって、特定技能2号は重要な選択肢になります。
よくある勘違い
最後に、よくある勘違いを整理しておきましょう。
「1号で5年働けば2号になれる」
→ 自動的にはなれません。
「2号の試験に合格すれば必ず2号になれる」
→ 試験以外に実務経験などの条件もあります。
「どの分野でも条件は同じ」
→ 分野によって違います。
「介護にも特定技能2号がある」
→ 介護には特定技能2号はありません。
「長く働いていれば実務経験は何でもよい」
→ 単純な勤続年数ではなく、分野ごとに求められる実務経験の内容を確認することが重要です。
まとめ
特定技能2号になるために最も大切なのは、
「試験」と「実務経験」
です。
単に特定技能1号として長く働くだけではなく、
より高い技能を身につける
↓
必要な実務経験を積む
↓
必要な試験に合格する
↓
在留資格変更の手続きをする
という流れで考えるとわかりやすいでしょう。
そして、一番注意したいのは、
必要な条件は分野によって違う
ということです。
2号を目指す人は、まず、
「自分の分野では、どんな試験と実務経験が必要なのか?」
を確認するところから始めましょう。
特定技能2号は、単に「日本に長くいられる制度」ではありません。
日本で経験を積み、技能を高めた外国人が、さらにステップアップして長く活躍していくための制度です。