「特定技能外国人を採用したい!」
と思っても、
「まず何をすればいいの?」
「面接のあとは?」
「いつから働けるの?」
と疑問に思う会社も多いでしょう。
特定技能外国人は、普通に面接して採用するだけでは働き始めることができません。
在留資格の手続きや、特定技能1号の場合は外国人を支援する準備なども必要です。
今回は、特定技能外国人を受け入れるまでの流れを、できるだけ簡単に説明します。
全体の流れを最初に見てみよう
まずは難しいことを抜きにして、全体像を見てみましょう。
STEP1 自社で特定技能外国人を雇えるか確認する
↓
STEP2 外国人を探す
↓
STEP3 面接する
↓
STEP4 雇用契約を結ぶ
↓
STEP5 特定技能1号なら支援の準備をする
↓
STEP6 入管へ申請する
↓
STEP7 許可を受ける
↓
STEP8 入社・仕事スタート!
基本的には、このような流れです。
それでは、一つずつ見てみましょう。
STEP1 自社で特定技能外国人を雇えるか確認する
最初にすることは、
「そもそも自社で特定技能外国人を雇えるのか?」
を確認することです。
特定技能では、外国人が働くことのできる分野が決められています。
たとえば、
介護、建設、農業、外食、宿泊、飲食料品製造業などがあります。
そのため、
「人手不足だから特定技能外国人を雇おう!」
だけではダメです。
自社の業種だけでなく、
「外国人に実際に担当してもらう仕事が特定技能の対象なのか?」
まで確認する必要があります。
STEP2 外国人を探す
自社で受け入れられることが確認できたら、次は働いてくれる外国人を探します。
方法はいろいろあります。
たとえば、
人材紹介会社から紹介してもらう
海外の送り出し機関などを通じて探す
すでに日本にいる留学生や技能実習経験者などを採用する
といった方法があります。
外国人だからといって、特別な人だけを採用しなければならないわけではありません。
大切なのは、
「自社の仕事に合う人なのか?」
ということです。
STEP3 外国人と面接する
候補者が見つかったら面接をします。
普通の採用面接と同じように、
「なぜこの会社で働きたいの?」
「どんな仕事をしてきたの?」
「日本語はどのくらい話せるの?」
「将来どんな仕事をしたいの?」
などを確認します。
さらに特定技能では、
必要な技能試験に合格しているか
必要な日本語能力があるか
現在どの在留資格で日本にいるか
技能実習から移行する場合は必要な条件を満たしているか
なども確認しておく必要があります。
単に、
「人柄が良かったから採用!」
だけではなく、特定技能として働くための条件を満たしているかを確認することが重要です。
STEP4 雇用契約を結ぶ
採用する外国人が決まったら、会社と外国人で雇用契約を結びます。
簡単にいえば、
「この条件で一緒に働きましょう」
という約束です。
雇用契約では、
仕事内容
給料
労働時間
休日
勤務地
などを決めます。
ここで重要なのが給料です。
特定技能外国人の報酬は、
同じような仕事をする日本人と同等以上
でなければなりません。
「外国人だから給料を安くしよう」
ということは認められません。
STEP5 特定技能1号なら支援の準備をする
特定技能1号の外国人を受け入れる場合、会社は外国人の仕事だけでなく、日本での生活も支援する必要があります。
そこで作るのが、
「1号特定技能外国人支援計画」
です。
名前は難しいですが、
「この外国人をどのようにサポートしますか?」
という計画です。
たとえば、
住む場所を確保するためのサポート、銀行口座を作るためのサポート、役所での手続き、日本語学習についての情報提供、相談への対応、定期的な面談などがあります。
海外から来る外国人の場合には、必要に応じて空港などへの送迎も行います。
支援を会社だけでできない場合は?
「外国人の支援まで全部やるのは難しい……」
という会社もあるでしょう。
その場合に利用できるのが、
登録支援機関
です。
登録支援機関は、会社から委託を受けて、特定技能1号の外国人への支援を行うことができます。
そのため、
会社自身で支援する
または
登録支援機関に委託する
という方法があります。
初めて特定技能外国人を受け入れる会社では、登録支援機関へ支援を委託するケースもあります。
STEP6 入管へ申請する
ここまで準備したら、いよいよ出入国在留管理局への申請です。
ただし、外国人が現在どこにいるかによって手続きが変わります。
海外にいる外国人を採用する場合
外国人が海外にいる場合は、基本的に**「在留資格認定証明書交付申請」**を行います。
簡単にいうと、
「この外国人を特定技能として日本へ呼んでも大丈夫ですか?」
と入管に審査してもらう手続きです。
在留資格認定証明書が交付されたら、外国人本人が査証(ビザ)の手続きを行い、日本へ入国します。
日本にいる外国人を採用する場合
すでに日本にいる外国人が特定技能へ変更する場合は、基本的に**「在留資格変更許可申請」**を行います。
たとえば、
技能実習から特定技能へ移る人などが考えられます。
簡単にいえば、
「今の在留資格から特定技能へ変更しても大丈夫ですか?」
と入管へ申請するわけです。
STEP7 入管の審査を受ける
申請を出したら、入管が内容を確認します。
審査されるのは外国人本人だけではありません。
外国人が特定技能の条件を満たしているか
だけでなく、
会社が受入れ機関としての条件を満たしているか
雇用契約に問題がないか
必要な支援体制が整っているか
なども確認されます。
そのため、会社側の準備も非常に重要です。
STEP8 許可されたら仕事スタート!
無事に許可されたら、いよいよ特定技能外国人として働くことができます。
海外から来る外国人の場合は、日本へ入国します。
そして会社で働き始めます。
ただし、
「入社したから手続きは全部終わり!」
ではありません。
ここからも会社には大切な仕事があります。
入社後もサポートは続く
特定技能1号の場合は、入社後も支援計画に基づいた支援を続けます。
たとえば、
定期的に面談する
困っていることがないか確認する
日本語学習に関する情報を提供する
必要な生活支援を行う
などです。
また、受入れ状況などについて必要な届出も行います。
つまり、
採用 → 入管申請 → 入社
で終わるのではなく、
入社後も適切に雇用・支援していく
ところまでが特定技能外国人の受入れなのです。
海外採用と国内採用の違いを簡単に整理
ここは混乱しやすいので、簡単に整理しましょう。
| 海外から呼ぶ | 日本国内から採用 | |
|---|---|---|
| 外国人はどこにいる? | 海外 | 日本 |
| 主な入管手続き | 在留資格認定証明書交付申請 | 在留資格変更許可申請など |
| 入国手続き | 必要 | 基本的に不要 |
| 雇用契約 | 必要 | 必要 |
| 1号の支援 | 必要 | 必要 |
基本的な考え方は同じですが、外国人が海外にいるのか、日本にいるのかによって手続きが変わります。
どのくらい時間がかかる?
ここで気になるのが、
「採用を決めたら、すぐ働いてもらえるの?」
という点です。
基本的には、すぐには働き始められません。
書類の準備や入管の審査などがあります。
また、海外から呼ぶ場合には、査証の取得や来日の準備も必要になります。
さらに国によっては、その国側で必要になる手続きもあります。
そのため、
「来月人が足りないから、来月から海外の特定技能外国人に働いてもらおう」
というスケジュールでは難しい場合があります。
外国人をいつまでに採用したいのかを決め、余裕を持って準備することが大切です。
受入れで一番大切なことは?
手続きも大切ですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
特定技能外国人も、会社で一緒に働く一人の社員です。
「外国人だから特別扱いする」
という意味ではありません。
仕事をきちんと説明する。
わからないことがあれば相談できるようにする。
日本人社員ともコミュニケーションを取れる環境を作る。
安心して働ける職場にする。
こうした受入れ環境を作ることが、長く働いてもらうためにも重要です。
まとめ
特定技能外国人を受け入れる流れは、難しく見えます。
しかし、大きな流れだけならシンプルです。
① 自社で受け入れられるか確認
↓
② 外国人を探す
↓
③ 面接・採用
↓
④ 雇用契約
↓
⑤ 特定技能1号なら支援の準備
↓
⑥ 入管へ申請
↓
⑦ 許可
↓
⑧ 入社・仕事スタート
↓
⑨ 入社後も支援・届出を続ける
この流れを覚えておけば、特定技能外国人の受入れについてかなり理解しやすくなります。
そして重要なのは、
「採用して終わりではない」
ということです。
外国人が日本で安心して働き、生活できる環境を会社側も一緒につくっていく。
そこまで含めて、特定技能外国人の「受入れ」と考えるとわかりやすいでしょう。
