「特定技能なら、外国人はどんな仕事でもできるの?」
答えは、
「いいえ」です。
特定技能では、外国人が働くことのできる「分野」が決められています。
今回は、特定技能ではどんな仕事ができるのか、できるだけ簡単に説明します。
そもそも「対象分野」って何?
特定技能は、日本で人手が足りない分野で外国人に働いてもらうための制度です。
しかし、
「人手不足なら、どんな仕事でも特定技能で働いてOK!」
という制度ではありません。
国が、
「この分野では特に人材が必要です」
と決めた分野が対象になっています。
これを「特定産業分野」といいます。
難しい言葉なので、この記事では「対象分野」と考えてOKです。
特定技能にはどんな分野があるの?
現在、特定技能には次のような分野があります。
① 介護
高齢者や障害のある人などの生活をサポートする仕事です。
食事、入浴、移動などの介助を行います。
② ビルクリーニング
ビルや建物の中をきれいにする仕事です。
床や部屋などを清掃し、建物を清潔な状態に保ちます。
③ 工業製品製造業
工場などでものを作る仕事です。
機械や金属、電気・電子機器など、さまざまな製品の製造に関わります。
④ 建設
建物や道路などをつくる仕事です。
住宅、ビル、道路など、私たちの生活に必要なものをつくります。
⑤ 造船・舶用工業
船をつくったり、修理したりする仕事です。
船に使われる機械や設備などを扱う仕事もあります。
⑥ 自動車整備
自動車を点検したり、整備したりする仕事です。
自動車が安全に走れるようにチェックします。
⑦ 航空
空港や飛行機に関係する仕事です。
空港で荷物を運んだり、航空機を整備したりする仕事などがあります。
⑧ 宿泊
ホテルや旅館などで働く仕事です。
フロント、接客、レストランサービスなどを担当します。
⑨ 自動車運送業
トラック、バス、タクシーなどを運転する仕事です。
日本の物流や交通を支える仕事です。
⑩ 鉄道
電車や鉄道を支える仕事です。
線路の整備、車両の整備、駅での仕事などがあります。
⑪ 農業
野菜や果物などを育てたり、収穫したりする仕事です。
牛や豚などを育てる畜産の仕事もあります。
⑫ 漁業
魚などをとったり、魚や貝などを育てたりする仕事です。
海に囲まれた日本にとって重要な産業の一つです。
⑬ 飲食料品製造業
食べ物や飲み物を作る仕事です。
食品工場などで、さまざまな食品の製造や加工を行います。
⑭ 外食業
レストランや飲食店などで働く仕事です。
料理を作る「調理」だけでなく、お客さんへの接客や店舗管理などの仕事もあります。
⑮ 林業
森林で木を育てたり、木を切ったりする仕事です。
森林を守りながら、木材を生産する大切な仕事です。
⑯ 木材産業
木材を加工する仕事です。
山などから運ばれてきた木を加工し、建物や家具などに使われる材料を作ります。
⑰ リネンサプライ
ホテルや病院などで使われるシーツ、タオル、制服などを回収し、洗濯・仕上げをして、再び届ける仕事です。
ホテルや病院などを裏側から支える仕事と考えるとわかりやすいでしょう。
17分野を簡単にまとめると?
たくさんあるので、全部覚える必要はありません。
大まかに考えると、
人を支える仕事
→ 介護
ものを作る仕事
→ 工業製品製造、造船、飲食料品製造、木材産業など
建物や設備を支える仕事
→ 建設、ビルクリーニング
乗り物を支える仕事
→ 自動車整備、航空、自動車運送、鉄道
食べ物を作る仕事
→ 農業、漁業、飲食料品製造
お客さんと接する仕事
→ 宿泊、外食
自然に関係する仕事
→ 農業、漁業、林業
というイメージです。
会社が対象分野なら、どんな仕事でもできる?
ここは重要です。
会社が対象分野に入っていれば、どんな仕事でも特定技能外国人に任せられるわけではありません。
たとえば「外食業」で考えてみましょう。
外食業では、飲食物の調理、接客、店舗管理など、決められた業務があります。
そのため、
「うちの会社は飲食店だから、特定技能外国人にまったく関係のない仕事をさせてもいい」
ということにはなりません。
「会社が何をしているか」だけでなく、「外国人本人が実際にどんな仕事をするのか」も重要です。
特定技能1号と2号で対象は同じ?
ここも注意が必要です。
特定技能には、
特定技能1号
と
特定技能2号
があります。
しかし、1号で働ける分野が、そのまますべて2号でも対象になるとは限りません。
代表的なのが介護です。
介護分野には特定技能1号がありますが、特定技能2号はありません。
介護福祉士の資格を取得するなど一定の条件を満たした人には、在留資格「介護」という別の仕組みがあるためです。
そのため、
「特定技能1号で働ける=必ず2号にもなれる」
と覚えないようにしましょう。
分野によって必要な試験も違う
特定技能で働くためには、原則として一定の技能と日本語能力が必要です。
そして技能については、
働きたい分野によって試験が違います。
介護で働く人と、建設で働く人では、必要になる技能が違います。
当然、確認するための試験も違うわけです。
さらに、一部の分野では日本語について追加の条件があります。
そのため、
「自分はどの分野で働きたいのか?」
を決めてから、その分野の条件を確認することが大切です。
同じ分野でも仕事内容が分かれている
もう一つ覚えておきたいのが、
「分野」と「実際にできる仕事」は完全に同じではない
ということです。
一つの分野の中に、複数の業務区分が設けられている場合があります。
たとえば建設といっても、建物を建てる仕事だけではありません。
土木、建築、設備など、さまざまな仕事があります。
そのため企業が外国人を採用するときには、
「うちの会社は対象分野だから大丈夫!」
だけで判断せず、
「実際にお願いする仕事内容は特定技能で認められているのか?」
まで確認する必要があります。
なぜ分野が決められているの?
では、なぜ特定技能では働ける分野が決められているのでしょうか?
特定技能制度は、日本で人材を確保することが難しい産業分野で、外国人に活躍してもらうためにつくられた制度だからです。
つまり、
「外国人ならどんな仕事でもしてもらう制度」
ではなく、
「特に人材が必要な分野で、一定の技能を持った外国人に活躍してもらう制度」
なのです。
まとめ
特定技能について勉強するときは、まず、
「特定技能では、働ける分野が決められている」
と覚えておきましょう。
現在は、介護、建設、農業、外食業などを含むさまざまな分野が対象になっています。
そして重要なのは、
対象分野の会社なら何でもできるわけではない
ということです。
会社の業種だけではなく、
「外国人が実際に担当する仕事が、特定技能で認められているのか?」
まで確認する必要があります。
簡単にまとめると、
特定技能=人手不足だから何でもできる制度ではない
↓
国が決めた分野・仕事で働くための制度
と覚えておけばOKです。
